二世帯住宅と断熱

二世帯住宅を快適に仕上げるには、収納力を高めるのがポイントです。収納力を高めるための間取りは、地下室と中二階構造と屋根裏が代表的です。地下室ではなくても床下収納の施工もあります。屋根裏と同様にロフトも収納力を高めます。

注文住宅で収納力の高い二世帯住宅を新築すると、高齢者世代の両親と子供夫婦との間でストレスが軽減されます。お互いに干渉し過ぎないようにできるからです。

収納力を高めた施工は、断熱性にも注目しましょう。二世帯住宅は延床面積が広くなりますので、エアコンで冷暖房を効かせると、それだけ外気温との差が大きくなりますし、広い範囲で外気温との差が生じてきます。外気温との差が大きければ結露が発生しやすくなります。収納力を高めるために施工した箇所で結露が発生してしまうと、生活している空間と違って発見が遅くなりがちです。結露の発生はカビの発生を促進してしまい、衣類や紙類にダメージを与えてしまいます。

注文住宅は建物全体で断熱させると、生活空間ではない収納力を高めた箇所での結露の発生を予防できます。収納力を高めた箇所は、高さが140センチメートル以下で設計される場合が多く、空間の利用法にも注意が必要です。大人の身長では、立って作業するのが困難だからです。新築のときに、誰が収納品の出し入れを担当するのか決めておくのも良い方法ですが、安全管理のために子供夫婦が担当すると決めておくのも良いでしょう。普段から在宅している時間の多い高齢者世代の両親が利用しにくくなると、ますます掃除や点検の頻度が下がりますので、結露の発見も遅れてしまいます。

寝室とリビングだけを断熱性を高める方法は予算縮小には効果的ですが、結露やカビの処理で長期的には予算が必要になりますし、清掃やリフォームの手間もかかります。注文住宅は高気密性や高断熱性が提案されて新築される場合も多いので、生活空間だけでなく収納空間の機密性と断熱性もチェックしましょう。シュークロークやパントリーを設計する場合は、断熱性が備わっているほうが消臭効果が得られやすくて清潔です。

断熱は住まいの維持管理をスムーズにできる効果も備わっています。経年劣化しにくい断熱材も増えていますので、新築のときに断熱材の種類と効果を質問するようにしましょう。断熱材を交換リフォームしやすいように、将来的に取り外しが容易な壁材で施工しておくのも、住まいの維持管理に役立ちます。