一戸建てリフォームと断熱

最近の新築注文住宅の場合には気密・断熱工事は標準仕様になって来ています。それだけ耐震性や耐久性、気密断熱性、防音遮音性、省エネ性などは現在においては重要な要素であり、寒冷地において断熱材は死活問題にもつながります。
以前はアルミサッシが使われていたものが最近は樹脂サッシが断熱効果を持つということで2重サッシや複層ガラス入りのものが使用されるようになって来ています。
高度成長期の1960年代以前は木舞下地に土塗り壁を行う湿式工法という方法がとられて来ました。土塗り壁はそれなりの断熱性能を持っていましたがそれ以降は住宅需要が急増して工期的に間に合わない時代になりロックウールやグラスウールなどの断熱材とプラスターボードなどの建材がとって替わって使われるようになり、一般的には乾式工法と呼ばれています。
工期は短縮されましたが望ましい断熱性能が得られているかについては疑問もあります。
その後の断熱材としても効果的なものが開発されたわけでもなくそのまま使われていて現時点では開発が待たれています。
1970年代に入ってもその断熱材の認識が行き渡っておらず、厚さは10センチ以上なければ効果は出ないとされているところ個々に判断されて厚さ5センチのものが入れられたり、極端な場合にはこれが入っていないケースも見られます。
住宅も年月と共に劣化して来るものです。特に近年の温暖化現象や夏場の都市部のヒートアイランド現象によって高齢者はその暑さに悩まされるものです。毎年6月ごろから10月ごろにかけて熱中症で倒れる患者は4万人を超えているとされます。居住環境も余りに昔に建てられた住宅であれば劣悪な状況も考えられます。
リフォームを行う場合には断熱材は命の礎でもあり毎日を健康に暮らすには欠かせない材料です。1階部分の床下とか2階部分の天井裏、壁で不足している場合は充填する必要があります。
北欧では年間を通じて室内を28度Cに保てる断熱材が開発されたという情報をサイトで見かけたことがありました。よく考えると北欧の環境だからそれが可能なので、日本へ持って来たとしてもその通りの環境にできるとは限らないことに気づきました。
太古の時代には洞窟の中が年間を通じて快適に過ごせるという発見があったものですが、これを原点に今後断熱材の開発が行われて欲しいものです。
外装リフォームでは外壁や屋根に遮熱、あるいは断熱塗装を行うことで室内温度の負荷を減らすことができ、一つの暑さ対策としては有効とされているようです。