一戸建てリフォームと耐震

一戸建てリフォームで耐震を行うためには、弱い部分がどこなのかを調べる必要があります。弱い部分を調べるためには、専門家による耐震診断が必要です。耐震診断は多くの自治体で補助金を出し、診断を薦めています。耐震診断が必要とされる住宅は、新築時点が2,000年以前である住宅です。それ以降に建てられた住宅は現在と同じ基準を有しており、耐震診断の必要はありません。注文住宅の場合は、設計或は施工した会社に耐震診断を依頼するのも方法の一つです。耐震診断では住宅の平面図から耐震壁を探し出し、現在の基準と比べて十分な壁量が確保されていることを確認します。壁量が十分であれば、接合金物の補強が必要で、壁量が十分でない場合は、筋違いの増設や合板を張り付けることにより、壁量を増やす対策もとられます。

既存の建物は、新築時点では建築基準法に適合していたはずで、現在の建築基準法に適合していなくても法律違反ではありません。リフォームで耐震補強をする場合は、必ずしも現在の耐震基準を満たすことを目的にせず、実際に地震で倒れない建物を目指すほうが良い場合もあります。制振ダンパーは建築基準法には規定がありませんが、設置すると耐震効果の高い装置です。新築によるのではなく、建築後の取り付けも可能なので、リフォームに向いている工法でもあります。制振ダンパーは地震のエネルギーを熱エネルギーなどに変換することで、地震の力を弱める働きをします。リフォームでの耐震では、柱と梁及び桁の接合部分を補強する方法もあります。地震で建物が壊れる場合は、接合部分が先に壊れる傾向にあり、接合部分の補強は効果的です。

リフォームでの耐震補強は、壁の仕上げを壊さなければなりません。耐震補強は内装の張替えなどの工事と同時に行った方が経済的です。最も効果のある害外壁面への耐震ボードの張り付けは、外壁の仕上げをやり替えなければならず、かなりの経済的負担となります。最も経済的に耐震を行う方法は、接合部の補強です。補強には特殊な耐震用の金具が使われ、特に耐震が必要な壁に限って施工されます。どの壁に補強が必要かを知るためにも、耐震診断は必要となります。接合部の強度を高めることで、地震が起きた時に倒れ難くなります。実物大の住宅に見立てた耐震実験では、接合金物がない建物は簡単に倒壊するのに対して、接合金物がきちんと施工されている建物は、粘りを見せて、なかなか倒壊にはいたりません。